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キャリア徒然日記

キャリアを中心とした人材マネジメントについて思いつくままに綴っています。

キャリアコンサルタント受験者の傾向

だいぶ前のことになりますが、キャリアコンサルタント試験の結果は無事合格していました。

キャリアコンサルタント試験を受験するにあたり、あちこちに知り合いが出来て色々と話すうちに、キャリコンを目指す人には大きな特徴があることが分かりました。それは、「自分自身のキャリアが分からないので、まずはキャリアのことを勉強したい」という人が非常に多いことです。それでは、試験に無事合格して将来キャリアが少しは見えてきたかと言うと、多くの方が試験受験前と同じ状態でよく分からないままなのです。

そりゃそうですよね。確かにキャリア理論や面接技法は勉強しましたが、それを自分に対して使っていないのですから。自分自身の自己概念を把握・理解し、受け入れ、それを未来に向けて展開していく。これこそがキャリア・コンサルティングなのですが、それを自分に当てはめていかなければ、自分が変わりようがありません。

 

その根本的な原因として、「自分に向かい合う覚悟が持てていない」ことが挙げられるのではないかと考えています。米国のキャリア理論家であるダグラス・T・ホールは、プロティアン・キャリアという考え方を提唱しています。プロティアンとは、「変幻自在」という意味で、キャリアとつなげることで「変幻自在なキャリア」となります。現代社会は環境の変化が激しく、ひとつのキャリアビジョンにこだわり続けることが難しくなっています。ですから、「むしろ、環境が変わったら自分も変化していけるようなキャリア形成が重要である」という考え方です。そのために、自分を尊敬できるかという自尊心や自分は何をしたいのかという自己認知が重要なアイデンティティ側面であると論じています。すなわち、きちんと自分と向き合って自尊心の状況やコントロール、あるいは自己認知状況の点検を行うなど、自分について徹底的に考えろと指摘しているのです。

しかし、キャリアコンサルタントを目指したり合格した人で、どれほどの人が真剣に自分と向き合っているのでしょうか。そういうことをしたことがない人が、いくらキャリア理論を詳細に知っていたとしても、それは所詮机上の空論でしかありません。自分で自分のことを理解し、どのような心理的成功を収めれば良いのかがおぼろげながらも見えてくると、きっと未来に向けて進んでいけるのだと思います。

 

 

「自分に向かい合う覚悟が持てていない」の他にもう1つキャリアコンサルタントを目指す人の特徴として感じたことが、「自分軸で生きている」人が多いことです。自分軸とは勝手に私が作成した言葉ですが、もう少し丁寧に書けば、「自分主体で生きており、他者や社会の軸を忘れていたり非常に弱い」人が多い、となります。もちろん自分がいなければこの世界は消滅するのですから、自分主体で生きることは非常に重要なことです。しかし、キャリアコンサルタントとは他者の人生に寄り添うことであり、クライエントの応援団長に該当します。キャリアコンサルタントを実施している時だけ他者に寄り添うことは難しく、日常から他者へのいたわりの気持ちや親切心を育くみ、相手の人間性を尊重する気持ちを持ち続ける必要があります。お母さんが相手のことを尊重しやすいのは、子育てで子供にそのような気持ちで接しているからだと思います。

転職先を探す際も、給料や経験といった自分のことだけでなく、「転職先の組織や同僚にどのような好影響を与える人間なのか」「組織に所属することを通じて、どのように世の中に貢献していこうと思っているのか」という視点で考えることがとても大切なことと同じです。

 

今日書いたことは、自分への戒めでもあります。自分自身がより良く生きることが出来るよう努力して、そしてクライエントや周りの人が良く生きようとすることを支援する。そのような人を増やすことで明るい社会作りに貢献する。これが実現できるよう日々精進していきたいと思います。