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キャリア徒然日記

キャリアを中心とした人材マネジメントについて思いつくままに綴っています。

日本の大企業の組織人材に関する違和感

私は前職の会社に10年ほど勤めましたが、その会社は一部上場していました。そこで人事経験を積んだので、僕の組織感覚はきっと大企業寄りなのでしょう。

まあ、大企業寄りということにして、自分が前職で感じていた様々な違和感をメタ認知的に捉え直し、企業への課題提起とするとどのようなことが言えるのだろうか、と思ったことが、今回の文章を書くきっかけでした。

考えたことは、全部で5つあります。

1.人材に対する尊重の姿勢が足りない気がする

2.企業理念と人材マネジメント戦略、また人事施策同士の整合性が取れていない

3.組織の人格はちゃんと見えている?

4.組織と社員との関係性、未だに組織が強すぎる

5.階層間の価値観の違いの大きさや断絶に気付いていない

 

では順番に解説します。

1.人材に対する尊重の姿勢が足りない気がする

非常に伝えずらいニュアンスなのですが、何と言うか、個人尊重とか人間尊重に配慮した対応ができていないんですよね。そもそも、人間尊重を意識しているのか、と思えてしまいます。

例えば、大手企業では、50歳や45歳などキリのいい年齢で節目研修と呼ばれるような研修を実施します。定年後のライフスタイルを見据えてこれからどう生きていくのか、というとても重要な研修なのですが、どうも扱いも内容も軽いように思えてしかたがありません。人間、残りの人生をどうしようかという振り返りなぞ、めったにやるものではありません。その機会を提供するわけですし、その内容も仕事・家族・学び・余暇・健康・お金と多岐にわたるわけですが、これらのことをどのようなレベルで考えさせようとしているのでしょうか?人生を振り返るに相応しいレベルで構成されているのでしょうか?20年以上勤続した人への尊敬の念はあるのでしょうか?研修実施関係者に、皆が人生を豊かにするきっかけ作りをしよう!というモチベーションは湧いているでしょうか?

善なる心で人事施策を考え、誠実に実施していかなければなりません。

 

2.企業理念と人材マネジメント戦略、また人事施策と整合性が取れていない

歳を重ねてようやく企業理念の重要性が腹落ちしてきました。企業理念とは組織の活動目的であり、働く目的の1つです。なのに、社員を動かす仕組みである人材マネジメント戦略や各施策との整合性や連動性はあまり取られていません。施策に至っては、パッチワーク的に導入・廃止したりするので、全体整合性が取れなくなっている状況に陥っています。そういう骨太のつなぎ方をしないで、理念唱和とか理念暗記等の手段をとっていても、理念の押しつけにはなりますが、理念の浸透にはならないです。

 

3.組織の人格はちゃんと見えている?

オーナー社長や一族の会社の場合だと、組織の人格は見えやすいのですが、無難なサラリーマン社長が何代か続くと組織の人格がボンヤリしてしまいます。優秀な会社、例えばホンダやソニーは、組織風土として定着しているものが組織人格を表しています。

組織の人格がボンヤリしていることが問題ではなく、きちんと理念実現にコミットして進む意思を持っているかどうかが良く分からないことが問題なのです。某東芝さんのことを頭に思い浮かべながらこの文章を書きました。

 

4.組織と社員との関係性、未だに組織が強すぎる

現代は、インターネットによって個人が情報や力を持ち始めた時代と言われています。個のパワーが増大している時代にも関わらず、日本の雇用環境は旧態依然のものから殆ど変わっていません。グーグルやアップルの人材マネジメントのキモは、僕はズバリ「個の尊重」だと考えています。自分の会社に自信があるからこそ出来ることだと思いますが、日本は未だに組織の力で個人を抑え込もうとしています。すなわち、組織に強大な力があるので、個がどうしても尊重されなくなってしまうのです。

そして、このことは、「1.人材に対する尊重の姿勢が足りない気がする」に繋がっていくのです。

 

5.階層間の価値観の違いの大きさや断絶に気付いていない

いつ仕事を始めたかで、勤労観や人生観が大きく違っているのですが、その価値観については話題にさえ上りません。バブル期前の人、バブル期の人、バブル崩壊後の氷河期の人、氷河期後の人、リーマンショックの人、アベノミクスの人、ザックリとはこんな感じでしょうか。そして、これからの人は人生100年時代を生きる人です。働き方だけでなく生き方そのものが変化していくことを、リンダ・グラットン教授は「ライフシフト」で指摘しています。僕がここで指摘したこと、人事戦略や人事施策を考える人はまず検討していないと思います。マネジメントやコミュニケーションを考える際にも意識されていないでしょう。

 

上記のようなことに対するコンサルティングはやったことがないのですが、文章という形式知にまで引っ張り出せたので、企業の具体的事例があれば対応策をひねり出せそうな気がします。