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キャリア徒然日記

キャリアを中心とした人材マネジメントについて思いつくままに綴っています。

アーリーリタイアを検討することは、残りの人生を有意義にするためにとても良いですよ

アーリーリタイアとは、「定年を待たずに退職・引退し、残りの人生を自由に生きる」という生き方のことです。日本企業ですと、定年退職年齢は60~65歳が主流ですかね。それを前倒しして40代などで定職に就かない生活を過ごすということです。

アーリーリタイアを実現する上で最大の課題が、「お金」です。資産と運用、生活スタイル、そして年金の金額で残りの人生を文字通り「逃げ切れるか」を見切るのですが、それが難しい。運用利率なんて読めないし、物価上昇率も分からないし、家族状況がどう変化するかも分からないし、養育費・教育費が読めないし、何歳まで生きるかもわからないし、どんな病気にかかって治療費がかかるか分からないし、など意思決定に必須なことが分からないことだらけです。

だからアーリーリタイアは、決断力と実行力が非常に強く求められます。

 

私は、40歳ぐらいから資産の管理の詳細化と運用方針のアクティブな見直しに着手しました。今思うと、その頃から残りの人生について漠然と考えるようになり、人生の選択肢を増やすためにアーリーリタイアに必要な資金を意識し始めたのだと思います。そして、アベノミクスの当初の勢いは、私の運用商品の価格を大きく押し上げ、「あれ、もしかして贅沢しなければ、もう働かなくてもいいんじゃないか?」と思ってしまったのです(残念ながらそれは一時の相場で、その後大きく資産を減らすことになりました)。

そうなると、一気にアーリーリタイアの選択肢に心が奪われ、アーリーリタイア実践者のブログをこまめにチェックして、アーリーリタイアするための心構え、お金についての考え方、生活スタイルと支出に密接な関連があること、アーリーリタイア後の生き方や楽しみ方、など生の情報をどんどんと蓄積させていきました。

 

このような意識の変化は、退職する決断の時に作用していたと思います。そして、退職後に私は期限を定めない充電期間を設けることにしたのです。アーリーリタイアの検討によって、「そのうち働き出すのであれば、先行きは大丈夫」という安心感を抱えていることは、本当に私に勇気を与えてくれています。私は小心者なので、そこがないと人生の別のレールに移れなかったはずです。

 

節目研修で、「働かずに生きていく算段をしなさい」というのは人によっては楽しく学べる気がしますね。しかし、残りの人生でネガティブ要素が多い人の場合は、かなり酷な研修になりそうです。だけど、自分の残りの人生に責任を持たせるという意味では、効果的だと思います。そして、一時期それに真剣に向き合って、その結果、退職・起業という変化を遂げている自分だからこそ出来る研修が提供できそうです。

そして何より、自分の体験や思考が仕事である研修に結びつけば、大変楽しい人生になりそうです。サニー・S・ハンセンが提唱しているILP(Integrative Life Planning)的な生き方の実践とは、こういうことではないかと思います。

 

まとまりがなくなってきたので、そろそろ締めたいと思いますが、冒頭に申し上げた「アーリーリタイアを検討することは、残りの人生を有意義にするためにとても良いですよ」、というのは私の実体験からでした。

社会と同様に自分の人生も不透明極まりないですが、自分の人生に向き合う勇気を持つことは、自分の未来を能動的に切り拓くことにつながります。

 

「未来を予測する最善の方法は、それを発明してしまうことだ」
byパーソナルコンピュータの父 アラン・ケイ

日本の大企業の組織人材に関する違和感

私は前職の会社に10年ほど勤めましたが、その会社は一部上場していました。そこで人事経験を積んだので、僕の組織感覚はきっと大企業寄りなのでしょう。

まあ、大企業寄りということにして、自分が前職で感じていた様々な違和感をメタ認知的に捉え直し、企業への課題提起とするとどのようなことが言えるのだろうか、と思ったことが、今回の文章を書くきっかけでした。

考えたことは、全部で5つあります。

1.人材に対する尊重の姿勢が足りない気がする

2.企業理念と人材マネジメント戦略、また人事施策同士の整合性が取れていない

3.組織の人格はちゃんと見えている?

4.組織と社員との関係性、未だに組織が強すぎる

5.階層間の価値観の違いの大きさや断絶に気付いていない

 

では順番に解説します。

1.人材に対する尊重の姿勢が足りない気がする

非常に伝えずらいニュアンスなのですが、何と言うか、個人尊重とか人間尊重に配慮した対応ができていないんですよね。そもそも、人間尊重を意識しているのか、と思えてしまいます。

例えば、大手企業では、50歳や45歳などキリのいい年齢で節目研修と呼ばれるような研修を実施します。定年後のライフスタイルを見据えてこれからどう生きていくのか、というとても重要な研修なのですが、どうも扱いも内容も軽いように思えてしかたがありません。人間、残りの人生をどうしようかという振り返りなぞ、めったにやるものではありません。その機会を提供するわけですし、その内容も仕事・家族・学び・余暇・健康・お金と多岐にわたるわけですが、これらのことをどのようなレベルで考えさせようとしているのでしょうか?人生を振り返るに相応しいレベルで構成されているのでしょうか?20年以上勤続した人への尊敬の念はあるのでしょうか?研修実施関係者に、皆が人生を豊かにするきっかけ作りをしよう!というモチベーションは湧いているでしょうか?

善なる心で人事施策を考え、誠実に実施していかなければなりません。

 

2.企業理念と人材マネジメント戦略、また人事施策と整合性が取れていない

歳を重ねてようやく企業理念の重要性が腹落ちしてきました。企業理念とは組織の活動目的であり、働く目的の1つです。なのに、社員を動かす仕組みである人材マネジメント戦略や各施策との整合性や連動性はあまり取られていません。施策に至っては、パッチワーク的に導入・廃止したりするので、全体整合性が取れなくなっている状況に陥っています。そういう骨太のつなぎ方をしないで、理念唱和とか理念暗記等の手段をとっていても、理念の押しつけにはなりますが、理念の浸透にはならないです。

 

3.組織の人格はちゃんと見えている?

オーナー社長や一族の会社の場合だと、組織の人格は見えやすいのですが、無難なサラリーマン社長が何代か続くと組織の人格がボンヤリしてしまいます。優秀な会社、例えばホンダやソニーは、組織風土として定着しているものが組織人格を表しています。

組織の人格がボンヤリしていることが問題ではなく、きちんと理念実現にコミットして進む意思を持っているかどうかが良く分からないことが問題なのです。某東芝さんのことを頭に思い浮かべながらこの文章を書きました。

 

4.組織と社員との関係性、未だに組織が強すぎる

現代は、インターネットによって個人が情報や力を持ち始めた時代と言われています。個のパワーが増大している時代にも関わらず、日本の雇用環境は旧態依然のものから殆ど変わっていません。グーグルやアップルの人材マネジメントのキモは、僕はズバリ「個の尊重」だと考えています。自分の会社に自信があるからこそ出来ることだと思いますが、日本は未だに組織の力で個人を抑え込もうとしています。すなわち、組織に強大な力があるので、個がどうしても尊重されなくなってしまうのです。

そして、このことは、「1.人材に対する尊重の姿勢が足りない気がする」に繋がっていくのです。

 

5.階層間の価値観の違いの大きさや断絶に気付いていない

いつ仕事を始めたかで、勤労観や人生観が大きく違っているのですが、その価値観については話題にさえ上りません。バブル期前の人、バブル期の人、バブル崩壊後の氷河期の人、氷河期後の人、リーマンショックの人、アベノミクスの人、ザックリとはこんな感じでしょうか。そして、これからの人は人生100年時代を生きる人です。働き方だけでなく生き方そのものが変化していくことを、リンダ・グラットン教授は「ライフシフト」で指摘しています。僕がここで指摘したこと、人事戦略や人事施策を考える人はまず検討していないと思います。マネジメントやコミュニケーションを考える際にも意識されていないでしょう。

 

上記のようなことに対するコンサルティングはやったことがないのですが、文章という形式知にまで引っ張り出せたので、企業の具体的事例があれば対応策をひねり出せそうな気がします。

我々の未来を想像するためにお勧めのAmazon Primeの映画

唐突な告白ですが、僕はAmazon Prime Videoを愛用しています。年間3,900円で、無数とも言えるTV番組や映画が見れるわけですから、本当に良い時代になったものです。

 

最近、近未来モノの映画(しかもどちらかと言えばマイナー)を好んで見ていたのですが、そこにある共通点が潜んでいることに気付きました。その共通点とは、「科学が発達した近未来において、人間はどのように生きるべきか」、ということです。この説明は、映画紹介の後で詳述したいと思います。全4本です。なるべくネタバレにならないように紹介したいのですが、記事の性質上全てを隠すことは難しいので、その点はご了承ください。

 

では、1本目。「月に囚われた男」です。

月に囚われた男 (字幕版)
 

 近未来──地球の資源は底をついた。
宇宙飛行士のサムはエネルギー源を月より地球へ送るために、ルナー・インダストリーズ社よりたった一人で派遣されていた。
月での生活は、毎日決まった時間に起き、ランニングマシーンに乗り、ヘリウム3を採掘するだけの日々。
話し相手はコンピューターのガーティだけ。
地球との交信は衛星の故障によりできず、録音したメッセージをやり取りするのみ・・・。
3年という契約期間を淡々とこなし、やっと、地球に戻れる日が2週間後に迫っていたのだが―――!?

 自分のクローンが密かに量産される中で、自分は本当にオリジナルなのか、家族との思い出は本物なのか、といった人間の心理描写を見事に描いています。見ながら、何となくジムキャリーの「トゥルーマンショー」を思い出しました(「トゥルーマンショー」も以前は無料で見れたのですが、今調べたら有料化されていました)。自分として生きていると信じていた人生が、実は違っている可能性があるとしたら。そのような場面を迎えた時のアイデンティティ崩壊とは。そんなことを考えながら鑑賞しました。

 

2本目は、「リミットレス」です。

リミットレス (字幕版)
 

 脳を100%活性化する新薬と出会い、人生のどん底から財界の頂点へと駆け上がる男、エディ。
だが成功の果てには、恐るべき副作用と罠が待ち受けていたー。
作家志望のエディは、元妻の弟から通常は20%しか使われていない脳の力を100%活性化する新薬NZT48を渡される。
疑いながらも服用した30秒後、エディの頭は劇的に覚醒し、一晩で傑作小説を書き上げる。
語学や数学など、あらゆる力を吸収したエディは、やがてビジネス界に進出。
ウォール街で伝説的な投資家カールと手を組み、ハイスピードで富と権力を手に入れる。
だが、そんな彼を待っていたのは、NZT48を巡る泥沼の争いと恐ろしい副作用だった。
果たしてエディはこの危機を乗り切り、運命に打ち勝つことができるのかー?

 上記の映画紹介文にも書かれていますが、一説には、人間は脳の能力の数%~数十%しか使用されていないそうです。どうもあまり科学的根拠はないのですが、しかし、時には脳に何らかの障害を持った人が常人とはかけ離れた能力(例:数学的能力、記憶力)を保持していたり、アメリカでは、頭をよくするスマートドラックがビジネスマンにも使われている、といった話を聞いたりします。個人的な願望としても、「自分の脳の潜在的能力をもっと引き出せたらいいのに」とは、多くの人が抱くのではないでしょうか。現在の科学力で追求すれば、映画のような新薬が生み出されることもあり得るように思います。

 

3本目は、「ダカタ」です。

ガタカ (字幕版)

ガタカ (字幕版)

 

 DNA操作で生まれた“適正者”だけが優遇される近未来。自然出産で生まれ、劣性遺伝子を持つ人間は“不適正者”として差別されていた。そんな不適正者の一人ビンセントは宇宙飛行士になる夢を抱いて家族のもとを飛び出し、優秀な遺伝子を持ちながら事故で下半身が不自由となった若者ジェロームと出会う…。

現代社会においても、優れた能力を持つ人間しか科学者や宇宙飛行士などのエリート的な職業に就くことは出来ません。そこには優れたDNAがベースとなっているはずですが、実際には先天的資質以外にも「努力」によって獲得できる後天的資質があることで、人間は色々なことに可能性を見出して頑張るわけです。

この映画ではDNA操作だけではなく、DNA検査を強化することで将来の疾病可能性や寿命についても診断しています。これも現代の科学技術をもってすれば充分実現可能性のあることではないでしょうか。

 

最後の4本目。「エクス・マキナ」です。

 世界シェア率No.1の検索エンジンを運営するブルーブック社でプログラマーとして働くケイレブは、巨万の富を築きながらも普段は滅多に姿を現さないCEO.ネイサンが所有する大自然の中の邸宅に1週間滞在するチャンスを得る。
人里離れたその地に到着したケイレブ。彼を待っていたのは、ネイサンが極秘に開発した美しい女性型ロボット“エヴァ"に搭載された人工知能(AI)のチューリング・テスト"に協力するという、興味深くも不可思議な実験だった・・・

近未来というよりは、既に実現した未来に近くなっているAIの話です。AIは果たして人間を越えていくのか。10年前にはSFの世界でしか語られてこなかった話が、最近はチェスや将棋の世界でトッププレーヤーを破るマシンが出現したり、AIに取って代わわれる職業が発表されたりと、AIとその影響が世間一般でも話題に出るようになりました。もう少し時代の針を進めてみると、どのような世界が誕生しているのか。必ずしもこの映画で語られているような世界ではないように思いますが、思考の振り幅を広げる役に立ちます。

 

映画は物語性を高めるために、ディストピア的世界(ユートピア的世界の反対)を描くことが多いと思います。なので、未来について過度に悲観的になる必要はないと思いますが、人間の欲望や倫理観が歪んでしまう可能性もあるわけで、映画で描かれているような世界を否定しきれないところが何とも恐ろしいことです。

そして、どのような世界になろうとも、結局は「自分自身のアイデンティティや価値観」をしっかりと持ち、自分の幸せのために生きていくしかないことを改めて感じたわけです。

そして、21世紀に生きる人間として「倫理観」を常に高めておく必要があると思いました。ダークサイドでは生きていきたくないので。

会社のエゴを越えたキャリア教育が出来るか?

タイトル「会社のエゴを越えたキャリア教育が出来るか?」は、クライアントの方との対話を通じて最近感じていることです。

 

まず、エゴとは何でしょうか?英語ではego と書きます。自己を対象とする認識作用、哲学および精神分析学における概念を指します。そして、「エゴイスト」「エゴイズム」という言葉に象徴されるように、自分の利益を重視し、他者の利益を軽視したり無視したりする利己主義者の省略形や利己主義的価値観の意味合いとして「エゴ」が用いられることが多いようです。

すなわち、本来的な意味は「エゴ」という言葉はフラットなのですが、どちらかと言えばネガティブな文脈で用いられているようです。そして、組織内では、社員に対してエゴ=利己主義というネガティブな方向性よりも、他者との協働や顧客への貢献である利他主義を志向させているのが普通ではないでしょうか。

一方、組織にも人格らしきものがあり、中小企業の場合、その人格は、社長の人格とほぼイコールになっています。何を言いたいかと言うと、特に中小企業においては、社長のエゴが組織のエゴになってしまっているということなのです。これは、多くの企業では無自覚になっている点です。なぜならは、その組織エゴは既に空気のような存在になっているからです。

そして、その社長さんがいつも頭を悩ませているうちの1つに、「人材の確保・育成・保持」が挙げられるのではないでしょうか。要するに、人材を外に出したくないんです。そうなると人材抱え込みの発想となり、会社を辞める可能性のある施策を導入するなど言語道断です。

 

本来的なキャリア支援とは、個人が自分らしく幸せな人生を歩むことを支援することに他なりません。焦点はあくまでも「個人」であり、その活躍の舞台には何の制限もありません。しかし、中小企業の社長さんの頭の中に「人材の抱え込み」という発想があれば、働く場として外部にも目が向いてしまう可能性のあるキャリア開発に関する施策はまずやらないと思います。もちろん、時間・費用的な面や大手と違って多様なキャリアパスを提示できない中でのキャリア開発の実施に踏み切れないことはあることは理解しています。しかし、本当に「個の尊重」を理念や会社方針に掲げるのであれば、このことはよく考えて欲しいのです。

 

また、既に何らかのキャリア開発を導入している企業でも、この「会社のエゴ問題」が存在しています。企業が実施する、すなわち企業主導のキャリア支援とは、あくまでも会社という舞台をベースに個人がどのように活躍するか、あるいはその舞台から降りてもらうか、ということがベースになっています(もし、「それは違う」という会社があるとすれば、それは偽善だと思います)。こちらも、「個の尊重」よりも「組織の論理」が優先されているというわけです。

 

日本の多くの会社では、企業理念に「個の尊重」を大切にされているのではないでしょうか。人材マネジメントに携わる身として、それは素晴らしいことだと本当に思います。だからこそ、キャリア開発の導入時には、「会社のエゴを越えて、個を尊重したキャリア教育が出来るか?」ということを徹底的に話し合い、会社としてどのようなスタンスで個人の人生に関わるかを決めなければなりません。

 

キャリアコンサルタント資格取得を目指す方々へ

先日第3回キャリコン国家資格試験を受けた身なので、この資格云々を語るほどの立場ではないと思いつつ、未来のキャリコン資格のあり方を考えた場合、組織人事の世界で20年以上メシを食っている立場から言えることもあるのではないかと思って本文章を書いています。

 

最も強調していっておきたいことは2つです。

1つ目は、「この資格でメシを食おうという甘い考えは捨てなさい!」ということです。もし個人で生きていこうと考えた場合、個人を相手にしていきたいのであれば、「キャリアを支援することで、クライエントにどのようなメリットを提供できるのか?」を徹底的に考える必要があります。法人を相手にするのであれば、「従業員のキャリア支援を通じてどのように人材マネジメントに寄与し、生産性向上に資するのか?」に答えられなければなりません。

しかし、そのような思考に至っているキャリコンの有資格者や受験生は全くと言っていいほど出会えませんでした。

そして、この資格を生かして転職するとしても、せいぜいハローワークの非正規相談員、大学から請負う就職支援の相談員、あとは派遣会社の営業や転職支援会社の転職アドバイザーなどの職です。企業のキャリア開発室などは基本的に内部人材を充てるので可能性は限りなく低いです。

これらの仕事は、要は個人と仕事のマッチングです。この仕事も、個人の潜在的ニーズや根本的な価値観に迫ったり、その上で仕事や会社を紹介出来れば面白いのですが、多くの場合、転職決定率や就職率など、様々な組織事情によってそのようなサービスの提供は殆ど出来ないと思ってよいでしょう。そして、これらの仕事の多くは低賃金です。自身のキャリア将来性も、実質的には専門性を特化する方向しかないと思います(マネジメント方向性としては、キャリア開発や人材育成がありますが、その場合は関連する実務経験がないと厳しいです)。

 

2つ目にいいたいことは、上記の話を受けてですが、キャリアでメシを食いたいのであれば、国の政策や企業のキャリア開発マネジメントくらいは持論を持った上で実務をやる覚悟を持たないといけない、ということです。

キャリアカウンセラーであれば、別にそんなことは考えなくて良いと思います。しかし、「キャリアコンサルタント」なのであれば、対個人、対組織、どちらにサービスを提供しようとも、両方ともにキャリコンなりの戦略を持っていなければならないのではと思います。

でも、キャリアコンサルタント資格を目指す人は、会社寄りの立場で働いたことのある経験のある人がかなり少ないのです。会社寄りの立場、というのは何も管理職経験を指すわけではありません。管理職でも一般社員に近いメンタリティで動いている人もたくさんいるので。別にそれが悪いわけではありませんが、そのような人がキャリコンを目指すと、多くの人は個人の幸せの最大化を目指します。

しかし、僕の考えるキャリアコンサルタントの新たな姿の1つとして、人材マネジメントの観点からのキャリア開発戦略であったり、生産性向上に寄与するキャリア開発のあり方だったりを支援することではないかと思うわけです(全員がこうなれと言っているわけではありません)。

 

キャリコンの資格を取っても、その資格をどのように生かすかの答えを持っていない人が周囲にもたくさんいます。しかし、そのような問題点も理解した上でキャリアコンサルタント資格取得を目指し、キャリコンの様々な現状課題の解決に立ち向かおうと思っている人にとって、そしてそのような仲間と繋がろうと思えば、面白い世界は開ける可能性は十分にあると思っています。

第3回キャリアコンサルタント試験 受験に向けた取り組みの振り返り

先日の3月5日に第3回キャリアコンサルタント試験の実技試験である面接試験を受験しました。これで、筆記試験と実技試験の両方が終了したことになります。

私にとって、このキャリアコンサルタント(以下「キャリコン」と呼びます)という資格を知り、資格取得に向けた取り組みは大変有意義でしたので、試験が終了した今のタイミングで総括しておこうと思います。

 

◆キャリコン受験に向けた取り組みで良かったこと

1.キャリア理論やそのベースとなるカウンセリングに関わる心理学分野の理論を知ることが出来たこと

これは仲間を見ていても、かなり特殊な感想になると思います。みんなは理論の暗記でヒーヒーと苦労されていたので。でも、私は、理論は暗記ではなく、あくまでその理論を理解することに時間を費やしていました。時間がかかりそうですが、結局は理論をしっかりと理解する過程で人の名前や理論の特徴は良く把握できますし、それらは長期記憶として脳に保存されるので、滅多なことでは忘れないというメリットがあります。

キャリア理論は、時代の流れとともに、様々な研究で新しい知見が得られたリ過去の理論の限界を突破するための新しい理論が生まれたり、と結局は時系列で学んでいくことが最も正しい勉強法でしょう。そのような繋がりによる勉強を仲間に教えたところ、理解がグッと進んだ気がします。

 

2.面談のトレーニングは、人間尊重、個人尊重という理念を実際の行動として行うためのトレーニングとして大変有効だったこと

カウンセリングでは、相手の全てを受容し、相手の思い・経験を自分と一致させ、共感するという、いわゆるロジャースの3つの条件を徹底しなければなりません。私はこれまで、他人と距離を保つことで客観性を保ち、どちらかというと批判的に見ることで相手の弱みを見つけ、その弱みを改善することでパフォーマンスを上げていこうというアプローチでマネジメントを行っていたため、受容・共感・一致というアプローチはすごく苦手であることが良く分かりました。そして、人間尊重を具体的に行動に移す第一歩として、このキャリコンのアプローチは非常に重要なことだと感じました。

この面談は、実戦や模擬演習の数が必要であり、苦手な自分はもしキャリコン試験に合格しても、継続して取り組むべき課題だと認識しています。

 

3.同じ目標・目的を持った仲間と繋がったこと

私は日本マンパワーの養成講座に通いましたが、この講座は試験3ヶ月前に終了してその後は自己鍛錬で試験に備えていくというスケジュールになっています。自力で出来る人は良いでしょうが、自分も含めてまだまだ実力不足を認識していた人たちが自然と集まって、自主勉強会を実施したり、先輩CDAのグループと繋がってロープレの練習を手伝ってもらったりと、勉強を通じて多くの人と繋がることが出来ました。また、ロンドン・ビジネススクールの教授であるリンダ・グラットンの著作「ライフシフト」に共感していた自分は、彼女の言う「無形資産である仲間」を意識的に構築することを意識し、自主勉強会を主催しました。結果として、同じ目標・目的・問題意識を持った仲間と繋がることが出来ました。

実はこのネットワークこそ、資格取得以上に価値のあることなのではないかと思います。そして、自分にはネットワークを作るスキルがある程度あるという気付きも、今後の人生を切り拓く上で「自己効力感」を高めるために作用すると思います。

 

◆キャリコン受験に向けた取り組みで、今後の課題となること

この項で挙げることは、決して悪かったことではありません。自分に対する課題として書きました。

1.キャリアに関する問題解決意識が弱くなっていること

私は今回JCDAという団体で受験しましたが、この団体の特徴としては傾聴や共感を大変に重視しています。一方、もう1つの団体であるキャリアコンサルタント協議会は、問題解決志向だと言われています。JCDAのアプローチは大変重要なものだと理解していますが、特にキャリコン試験で合格するためには「問題解決志向にならない」ことまで意識して望む必要があります。キャリコンの試験は60分の面談の最初の15分という設定であり、初回面談の初めの15分間では、信頼関係の醸成や来談者の主訴を把握することしか出来ないでしょう、ということなのです。この考え方には全く同意しますが、試験対策ばっかりやっていると「問題解決が悪」とまでは至らなくても、問題解決スキルをほとんど獲得できていない気がします。

キャリコンの役割は、来談者の悩みを解決する支援をすることであり、そのためには問題解決手法を実践できなければ、いつまでも前に進めることが出来ないのです。

JCDAとキャリアコンサルタント協議会という2つの団体があるので、キャリコン試験受験者は、どちらのアプローチが自分に合っているか、ということを試験前に考えるというヘンテコなことが生じています。

 

2.面談に関する圧倒的な経験不足

もしこれでキャリコン試験に合格しても、それでプロを名乗るのはおこがましいほど圧倒的に経験が不足しています。どのように研鑽を積んでいくかは、これからの課題です。

 

3.既存のキャリアコンサルティングは、予測出来ない未来を生きるための気付き、覚悟、あるいは未来の働き方のヒントとなる情報を提供できていないのでは?

キャリアコンサルタントがどんなに上手に来談者の自己概念に迫っていっても、まだ見ぬ未来を生きる覚悟や未来の働き方に備えるような気付きは得られないのではないか、という素朴な疑問です。この項は、未来の働き方を先取りするような人材サービスを提供していきたいと自分自身が考えているので、自分への課題でもあります。

ただ、キャリアコンサルタントが、会社に雇われるという従来の働き方を前提にキャリアコンサルティングを提供するので、会社勤めを辞めて起業した自分だからこそ提供できるサービスや視点があるのではないかと考えています。

 

これからキャリアコンサルタント資格を目指す方もいらっしゃると思いますが、この資格単独で食っていくのはとても厳しいです。資格に甘い幻想を抱いている方も少なからずいらっしゃるので、その現実はきちんと理解しておいた方が良いです。

でも、私自身は上記で述べたような良かったことや楽しいことがたくさんあったので、資格取得に向けて努力してきて良かったなと思っています。

あとは合格していることを願うのみです。

 

第3回キャリアコンサルタント試験 学科試験と実技試験(論述)が終了しました

昨日、第3回キャリアコンサルタント試験の筆記試験及び実技試験(論述)が執り行われました。

問題用紙は持って帰れたので、チェックしておいた自身の回答を元に、自己採点をした結果、50問中39問正解で基準の7割である35問は無事クリアすることが出来ました。あまり出来のいい点数ではないですが、自分の持っていた知識でキャリアコンサルタント試験の過去2回分及びキャリアコンサルティング技能検定2級の過去3回分は全て合格基準をクリアしていたので、詳細を詰めることなく臨んだ結果でした。7割正解出来ればいいので、あまり時間をかけてもしょうがないかなと。

 

試験会場には友人がたくさんおり、筆記試験終了後の昼休みに感想を述べあったのですが、特に時事問題や労務問題の難易度が過去のものより上がっているというのが全員一致した意見でした。また、カウンセリング理論に関しても細かい設問が多かった気がします。

 

しかし、このキャリアコンサルタントという資格、自分自身は心理学やカウンセリング理論が学べてとても興味深いものなのですが、この資格を元に商売にするというのはかなり厳しいものがあります。しかし、友人の中には少なからず本資格を頼りに収入を得たいという希望を持っている方もいます。私見ですが、この資格は単独では独立はかなり厳しく、人材育成・研修、コーチング、あるいはもう少し広く人材マネジメント戦略と組み合わせて商売を展開する方向が良いのではないかなあと思います。だから社会保険労務士中小企業診断士との合わせ技(しかもキャリアコンサルタント資格はサブ)が有効そうです。一方、現在企業勤務の方は資格を生かす場面は色々とありそうです。

 

友人の多くが、2週間後の実技(面接)試験のモチベーションが落ちるといけないので、自己採点しないままで試験に臨むそうです。

なにはともあれ試験は絶対評価なので、自分も含めて試験に臨む方々の努力が報われることを祈るばかりです。そして残り2週間はしっかりと試験対策をしたいと思います。